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東アジアの気になるあれこれ

(1)対外宣伝用動画から見える日朝協議の困難

協議に向かう北朝鮮の徐大河・特別調査委員長(中央)と外務省の伊原純一アジア大洋州局長(右)=28日午前、平壌

 拉致問題でクローズアップされる北朝鮮が10月25日、2本の対外宣伝用動画をインターネット上で公開した。政治犯収容所問題で告発を続ける脱北者の証言を一方的に否定する内容だ。一見、拉致問題とは結びつかない2本の動画は北朝鮮との交渉がいかに困難かを示している、と記者は読む。「政治犯」や拉致問題も含め、人道的な問題が指摘されるたびに対抗策をとる北朝鮮。日朝関係の今後はどうなるのか。北京を拠点に北朝鮮関係者を取材してきた記者が、自身が入手した北朝鮮内部文書の内容も踏まえ、日朝協議の今後を展望する。

 日本人拉致被害者らの再調査を行う北朝鮮の特別調査委員会と日本政府代表団の協議が10月28、29の両日、平壌市内で開かれた。北朝鮮側は少将の肩章をつけた特別調査委委員長の徐大河(ソ・デハ)国家安全保衛部副部長が直接対応した。表に登場することは通常ない秘密警察幹部が出てきたことは、北朝鮮側が一定の誠意を示そうとしていることの表れなのだろう。ただ、その数日前に日朝協議とは全く別の文脈で北朝鮮が公開した2本の動画は、今後の日朝関係、そして拉致問題の解決に向けた道のりの険しさを、改めて強烈に実感させるものだった。

 北朝鮮の対外宣伝用サイト「ウリミンジョッキリ(我が民族同士)」が10月25日付けで公開したのは、「ウソと真実 申東赫(シン・ドンヒョク)とは誰なのか」という動画だ。2本に分けられ、それぞれ9分余りの映像からなる。

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米村耕一

1997年10月入社。西部本社(北九州市)、福島支局、政治部などを経て2010年4月から2013年3月まで北京特派員。主に北朝鮮や中国の外交を担当。2010年秋に金正日総書記の後継者として金正恩氏が登場した際には、平壌でも取材した。現在は東京で東アジア・ウォッチングを継続中。

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