連載

ハリウッド万華鏡

毎日新聞デジタルの「ハリウッド万華鏡」ページです。最新のニュース、記事をまとめています。

連載一覧

ハリウッド万華鏡

(9)映画よりドラマチックなザンペリーニの生涯

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
第二次大戦中、ザンペリーニ氏が収容された新潟県の直江津捕虜収容所の跡地は、今日では平和記念公園となり、子供たちの平和学習の場となっている=上越市課原町で2010年10月7日、長谷川隆撮影
第二次大戦中、ザンペリーニ氏が収容された新潟県の直江津捕虜収容所の跡地は、今日では平和記念公園となり、子供たちの平和学習の場となっている=上越市課原町で2010年10月7日、長谷川隆撮影

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記を題材にしたソニー・ピクチャーズエンターテイメント製作のコメディ映画「ザ・インタビュー」の公開をめぐり騒動となった昨年12月25日のクリスマス、日米関連の映画が封切りされた。アンジェリーナ・ジョリー監督の新作「アンブロークン」だ。

 第二次世界大戦中に日本軍の捕虜となり虐待を受けた元五輪陸上中距離選手、ルイス・ザンペリーニ氏(2014年7月に97歳で死去)の生涯を描いた映画で、宣伝文句は「信じられない実話」。日本兵による虐待シーンを理由に「反日映画」と批判する動きが日本にあるが、ザンペリーニ氏は戦後、捕虜収容所の悪夢にうなされ続けた心的外傷(トラウマ)を克服するため、日本兵を許すという「ミッション」に挑み、日米和解を訴え続けた人物だ。「反日」というレッテルは、的外れとしか思えない。

 「アンブロークン」は、ノンフィクション作家、ローラ・ヒレンブランド氏が10年に発行したベストセラー本が原作。著者は難病を抱えながら、71時間にわたりザンペリーニ氏に電話インタビューをし、収容所にいた200人以上の捕虜一人一人に殴られたり、重い角材を持ち上げた状態で立たせたりするなど、収容所で何が起きたのか詳細に聞き取った。本には、殴打や銃殺などの虐待事例とともに「人体実験で殺されたり、人食いの風…

この記事は有料記事です。

残り1665文字(全文2231文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る
この記事の筆者
すべて見る

注目の特集