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著者インタビュー

宮部みゆきさん 新作「悲嘆の門」を語る

「悲嘆の門・上」宮部みゆき・著(毎日新聞社/税抜き1600円)

 「英雄の書」から6年、待望の新刊が発売された。日本を震撼(しんかん)させる連続殺人、ネット社会で起こる数々の事件、一変してミステリー色が強まった「悲嘆の門」について、どのような思いで向き合ってきたのか聞いた。

宮部さん 本作は「英雄の書」と同じ世界設定を使っていますし、同じキャラクターも登場しますが、「英雄の書」では描けなかった、「英雄」になってしまう側を書きました。続編ではなく、合わせ鏡のような作品になっています。単独で読んで、どれだけサスペンスを感じてもらえるか、試行錯誤しながら書きました。前半部分は、サイコ・ホラーとしても、楽しんでいただけると思います。

宮部さん ネットの力が大きいこと、ネットが社会を根本的に変えたことは、ネット使いではまったくない、私のような人間にも実感できます。震災の時もそうでしたが、多様な情報が流れる、その中には、専門家の普段なかなか聞くことのできない声が聞けたり、すごくたのもしいと思うと同時に、情報が錯綜(さくそう)していて、何が正しいのか、見分けがつかない。本当に大きな革命だと思うから、いちど、ネット社会のはしっこでもいいから、働いている人を主人公にしたいと考えていました。ただ私には、ハッカーやプログラマーといったプロフェッショナルではなく、ごく平凡なユーザーで、先輩に誘われてアルバイトで始めてみた、くらいのレベルがちょうどいい。それが主人公の三島孝太郎でした。

 彼の仕事はサイバーパトロールというものですが、執筆前、実際に都内にあるネット監視会社を取材しました。オフィスの様子など、描写にふんだんに使わせていただいています。とはいえ、そういう会社が現実にどんな業務をしているのか、詳しくは書きたくなかったので、ここに書かれている会社は、現実とは違います。作り話をいっぱいしました(笑い)。

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