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“火事場泥棒”の暗躍を見過ごすわけにはいかない
◆『東北ショック・ドクトリン』古川美穂・著(岩波書店/税抜き1700円)
「ドクトリン」とは教義、基本原則という意味をもつ言葉で、政治や外交、軍事の場で用いられてきた。
「ショック・ドクトリン」とは、災害や政変などの危機的状況に際して過激な市場原理主義が強行されること。アメリカの経済学者ミルトン・フリードマンの考えを批判して、カナダのジャーナリスト、ナオミ・クラインが述べた語で、その著作の題名としても知られる(2007年刊、翻訳は11年刊)。副題は「惨事便乗型資本主義の正体を暴く」、映画化の際に「火事場泥棒の資本主義」とのキャッチフレーズがついた。
東北の「ショック・ドクトリン」とは、東日本大震災以降に打ち出され展開された「創造的復興」の数々だ。東北メディカル・メガバンク構想、水産復興マスタープランによる水産特区、仙台空港民営化(日本で第一号の)、復興財源としてのカジノ解禁論、大規模店舗の進出……。
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