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SUNDAY LIBRARY

古屋 美登里・評『忘れられた巨人』カズオ・イシグロ/著

◆『忘れられた巨人』カズオ・イシグロ/著、土屋政雄/訳(早川書房/税抜き1900円)

 カズオ・イシグロには意表を突かれる。過去の輝かしい日々を追想し、時代の流れに抗(あらが)おうとする戦後の英国執事を描いた『日の名残り』の後に発表されたのは、カフカ的な非現実世界を彷徨(ほうこう)する男が主人公の『充たされざる者』だった。そして、二十世紀初頭の上海を舞台に私立探偵が活躍する『わたしたちが孤児だったころ』の後に、自分とは何かと問い続けるクローンたちの「人生」を描いたSF風未来小説『わたしを離さないで』が続いた。

 この四作を見る限り、スタイルもテーマも時代も異なり、そのときどきにイシグロが果敢な挑戦をしてきたことが、そしてこの作家がとりわけ「記憶」に興味を抱いていることがわかる。

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