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<なるほドリ・ワイド>18歳は大人か子供か=回答・水脇友輔、和田武士

 選挙で投票できる年齢を18歳に引き下げる公職選挙法改正案が今国会で審議されます。法律の公布から1年たった選挙に適用されるので、6月下旬ごろまでに成立すると、来年夏の参院選は18歳や19歳でも投票できるようになります。同時に少年法や民法の年齢規定も18歳にしようという議論があります。改正が実現すると何がどのように変わるのでしょうか。

     ◆投票年齢、20歳から下げるの?

    法案可決なら来夏参院選から

     なるほドリ 18歳以上の若者が来年夏の参院選から投票できるようになるって聞いたよ。

     記者 与野党6党が今年3月、衆院選や参院選、地方自治体の首長・議員選挙で投票できる年齢を現在の「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公選法改正案を国会に提出しました。選挙権年齢(せんきょけんねんれい)を25歳以上から20歳以上に引き下げた1945年以来、70年ぶりの大改革です。今国会で成立し、18、19歳の約240万人が新たに有権者(ゆうけんしゃ)となる見通しです。

     Q なぜ引き下げるの?

     A 昨年6月に施行(しこう)された、憲法改正の手続きを定めた改正国民投票法は、施行から4年後に国民投票ができる年齢を18歳以上に引き下げるとし、選挙権についても18歳以上に引き下げる法律を「速やかに」整備するとしました。背景には社会保障(しゃかいほしょう)など将来に関わる議論は、若者にこそ加わってほしいという考えもあります。他国では多くが選挙権年齢を18歳以上にしていることもあります。

     Q みんな投票に行く?

     A 最近の衆院選の20代の投票率は、2014年32・58%(全体の平均52・66%)▽12年37・89%(同59・32%)▽09年49・45%(同69・28%)−−でした。18歳だと高校3年生も投票できるので、政治や選挙への関心を高める取り組みが大切になります。最近は授業で模擬(もぎ)投票を実施する学校も珍しくありません。ただ、教育基本法は学校に対し、特定の政党を支持するような教育や活動を禁じているため、中立性の確保を求める声もあります。

     Q 18、19歳が選挙違反をしたらどうなるの?

     A 改正案では18歳以上も選挙運動ができるようになります。悪質な違反の場合、原則として成人と同じ刑事裁判を受けることになります。

     ◆少年法適用年齢どうなるの?

    「教育より処分」に慎重意見も

     Q 少年法が適用される年齢を引き下げようとする意見もあるようだね。

     A 公選法改正案の付則(ふそく)には、大人として扱う年齢(成人年齢(せいじんねんれい))を20歳以上とする民法や、20歳未満に適用される少年法について「必要な法制上の措置を講ずる」と明記されています。2月の川崎市中1男子殺害事件で17〜18歳の少年3人が逮捕され、社会的関心を集めたことも影響しているようです。

     Q 事件を起こした時、少年だとどうなるの?

     A 警察に逮捕されると、まず検察に送られます。大人なら検察が起訴するかどうか考え、起訴されれば公開の法廷で裁判が行われますが、少年の場合は検察から家庭裁判所に送られます。非公開の手続きで、少年院に入れるべきか、社会生活を送りながら立ち直りを目指すべきか検討されるのです。教育的な性格が強いのですが、家裁が「大人と同じように処分すべきだ」と判断すると、「逆送」と言って検察に送り返され、大人と同様の手続きが進みます。ただし、14歳未満の少年は処罰できないので、通常は警察が補導(ほどう)し、児童相談所に通告します。

     仮に適用年齢だけを18歳未満に引き下げると、罪を犯した18、19歳は家裁には送られず公開の刑事裁判の対象となります。また、18歳や19歳でも実名や顔写真を報じることが法律上可能となります。

     Q そもそも少年犯罪は増えているの?

     A 少年の刑法犯検挙数は83年に19万6783人に達しましたが、13年は5万6469人まで減りました。殺人や強盗など凶悪事件に限っても13年は10年前のほぼ半分の786人で、引き下げに慎重な意見があるのも確かです。

     ◆民法改正なら何が変わる?

    親の同意なく契約を結べる

     Q 民法については、どんな議論があるの?

     A 専門家たちが法改正の在り方を議論する法制審議会(ほうせいしんぎかい)は09年、国民投票や選挙権の年齢が18歳以上に引き下げられることを前提に「特段の弊害(へいがい)がない限り、成人年齢は18歳に引き下げるのが適当」との結論を出しました。実現すれば、18、19歳でも親の同意なしに結婚できます。親の同意がなくても契約が結べるようにもなりますが、トラブルに巻き込まれる可能性もあるため、引き下げ時期は「国会の判断に委ねるのが相当だ」としました。

     Q 反対の人はいるの?

     A 13年の内閣府の世論調査では、親の同意なく契約を結べる年齢を18歳にすることについては約79%、親に従う年齢を18歳未満にすることについては約69%が反対しました。欧州各国や米国の大半の州が成人年齢を18歳としていますが、日本では「18歳は子供」との意識も根強いようです。

     Q たばことかお酒も18歳からOKになるの?

     A 喫煙(きつえん)や飲酒(いんしゅ)が認められる年齢はそれぞれ民法とは別の法律で20歳以上と決められていて、成人年齢が引き下げられても見直さない見通しです。一方、馬券(ばけん)を買える年齢(競馬法)や医師になれる年齢(医師法)など、年齢の規定を民法に合わせている法律は、何らかの見直しをしない限り同時に20歳が18歳になります。成人年齢の引き下げで何らかの影響を受ける法律は212本(昨年4月1日現在)に上ります。回答・水脇友輔(政治部)、和田武士(社会部)

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