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梯 久美子・評『真実の「わだつみ」』『「わだつみ」現場の証言』

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本当に遺(のこ)したかった言葉が掘り起こされた

◆『真実の「わだつみ」 学徒兵 木村久夫の二通の遺書』加古陽治/編・著(東京新聞/税抜き900円)

◆『「わだつみ」現場の証言 或る傍観者の記録』鷲見豊三郎・著(東京新聞/税抜き1000円)

 今年は戦後70年ということで、戦争関連の本の出版やドキュメンタリーの放映が相次いでいる。取り上げられることが多いのは、特攻、原爆、沖縄戦、東京大空襲の4つで、最近ではこれらが繰り返し描かれている印象がある。それぞれが伝え続け、考え続けていくべき大きなテーマであることは言うまでもないが、一方で、かえりみられなくなっていくテーマがあることが気になっている。そのひとつがBC級戦犯のことだ。

 戦犯というとA級戦犯を思い浮かべがちだが、実は戦犯として裁かれた人の大部分がBC級戦犯である。A級戦犯が戦争指導者だったのに対し、通常の戦争犯罪(捕虜虐待の罪状が多かった)で裁かれたBC級戦犯は、多くが下級将校や下士官、召集された兵士や軍属だった。

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