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漫画で解説

通信傍受法って?の巻

適用範囲拡大の可能性 プライバシー侵害の恐れも

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ギョロは母星にいる母親と毎日連絡を取っています。一方、大輔と火達磨が何か話をしています。 「通信を傍受して…」 一体、何の話でしょうか。 通信傍受法の適用範囲を拡大する改正案の審議が始まりました。どんな内容なのでしょうか。通信傍受法とは、犯罪捜査で通話の傍受やメール閲覧などができるという法律です。ただ、今の規定ではハードルが高いのです。
現行の通信傍受法の対象犯罪は、薬物、銃器、集団密航、組織的殺人の四つです。傍受できる条件は数人の共謀による犯罪など。断片的で必要最低限というもので、犯行前の情報収集は認められず、電話会社の立ち会いが義務づけられています。確かに捜査側にすれば「使い勝手が悪い」でしょう。 そこで改正案が国会に提出されました。成立すれば対象犯罪が増え、条件が緩和されることになります。犯罪対象は「組織性が疑われる詐欺や窃盗などを加えた13類型」、緩和された条件は「電話会社の立ち会い不要」です。
では、海外はどうなっているのでしょうか。 主な国別の年間令状発付等件数は、日本64、英国約3400、米国約3400、ドイツ約2万4000、フランスは非公表、イタリア約12万7000、オーストラリア約4200です。 欧米では会話傍受も認められており、対象犯罪も幅広いですが、日本では会話傍受は認められていません。会話傍受とは、捜査対象者の住居などに傍受装置を設置して傍受・記録する捜査手法です。 海外は進んでいますが、問題も多いのも事実です。 米国家安全保障局(NSA)がテロ対策を目的に9社のサーバー(グーグル、アップル、フェイスブックなど)に入り込み、利用者を24時間監視していました。スノーデン氏の事件ですね。 特に米国では2001年の同時多発テロ以降、監視社会化が進んでいます。
日本でも、政府のフリーハンドを許せば政府に不満を持つだけでテロリスト扱いされるかもしれませんね。戦前の日本の「治安維持法」にそっくりです。 「治安維持法」は革命運動の鎮圧を目的に1925年に制定され、次第に拡大解釈され、軍や政府に批判的な国民ら10万人以上が検挙されました。 通信傍受法も、憲法の保障する「通信の秘密」を制約し、個人のプライバシーを侵害する恐れがあります。対象犯罪を絞り込んだり、傍受の実態をチェックする第三者機関が必要だという声もあります。無実でも捜査が名目なら、傍受される可能性は十分にあります。 ギョロは、傍受を恐れて母親との連絡ができなくなるかもしれないと心配しているようです。

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