SUNDAY LIBRARY

小玉 節郎・評『警視庁行動科学課』六道慧・著

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

一見軽そうに見えるが、読み応えある警察小説

◆『警視庁行動科学課』六道慧・著(光文社文庫/税抜き640円)

 まるでテレビドラマを見ているように映像が見える警察小説。

 FBI仕込みのプロファイラーと検屍官の美女コンビが主役。二人は頭脳明晰(めいせき)、行動力があり、現場にもファッショナブルなスタイルで登場。検屍官は警視総監の娘ということで二人が自在に捜査できる仕掛けがしてある。主役が「自由に」行動できるようにするのがミステリー小説の常道。警察モノでも自由に捜査ができるようにしておかないと話が進まない。

 ということで、(特に初めのうちは)周囲の反発を招き、協力が得られない。また「今さら死体を解剖しなくてもいいだろ!」と反対の声も多く出る。元々日本には、法医学を修めて事故死・不審死の解剖を行える人が少ない。疑問のある死体でも、解剖して克明に調べて死因を特定することはまれ、といわれる。そこで主役の二人は自分たちでできる限りのことをして犯罪を糾明しようとしている。この態度を貫いているので、一見軽く派手…

この記事は有料記事です。

残り429文字(全文880文字)

あわせて読みたい

ニュース特集