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<安保法制・私はこう考える>戦争する覚悟あるのか 漫画家・小林よしのりさん(61)

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 米国に追従して自衛隊が地球の裏側まで行けるようにする安保法制は、いわば「戦争法案」ですよ。わしが嫌いなサヨクみたいな言い方になっちゃうけれど、それが現実。みんな、戦争をする覚悟はできているのか?

 後方支援は、戦争遂行のために兵や物資を運ぶ兵站(へいたん)です。リスクは変わらないと政府は言うが、うそ。真っ先に攻撃される可能性があるし、戦死者が出るかもしれない。そしたらどうやって弔うの? 靖国神社にまつるの? 当然、考えるべきことなのに、政府は考えていない。当事者意識も覚悟も感じられないよ。

 戦死者が出るってこと自体、今の憲法ではあり得ないことで、改正するのが筋でしょ。わしは、日本国憲法は護憲派が言うほど平和な憲法ではないと思っている。「戦力不保持」という建前のせいで、防衛をアメリカに依存せざるを得なくなる。主権を握られているのと同じことで、だから米国の侵略戦争に引きずり込まれてしまう。

 今度の安保法制もその流れにある。自主防衛の体制を整えれば、自立できるのに。現憲法は戦争を助長する憲法ですよ。

 イラク戦争なんて完全に失敗だった。どれだけ中東を混乱させ、罪のない民が殺されたか。そんな戦争を我々が支持してしまったのに、総括をしないばかりか、罪悪感すら感じてない。平和国家なんかじゃないよ、この国は。安保法制でさらに「従米」を強め、同じことを繰り返すの? わしはもう、うんざりだよ。【聞き手・川崎桂吾】


 ■人物略歴

こばやし・よしのり

 福岡大在学中に漫画家としてデビュー。代表作に「東大一直線」など。新著は「ゴーマニズム宣言SPECIAL 新戦争論1」。

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