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高橋 敏夫・評『破落戸 あくじゃれ瓢六』諸田玲子・著

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最大不幸は権力の横暴、中年男が再起する

◆『破落戸 あくじゃれ瓢六』諸田玲子・著(文藝春秋/税抜き1600円)

 瓢(ひよう)六(ろく)のことなら、もうわたしは素通りにできない。本コラムの第一回目でとりあげた作品は、「あくじゃれ瓢六」シリーズ第二弾『こんちき』だった。コラムの書き出しが甦(よみがえ)る−時代小説のことばは、たっている。くっきりと鮮やか、端的で平明、太くつよく、とりかえようのないたしかさで……。

 あれからはや十年。シリーズは五作目となり、小悪党瓢六も若き日の溌溂(はつらつ)とした瓢六にあらず。しかも、瓢六に容赦なく襲いかかったのは時間ばかりではない。

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