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阿武 秀子・評『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』飯間浩明・著

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どれだけ知っているかよりも、どれだけ自由に使えるか

◆『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』飯間浩明・著(PHP新書/税抜き780円)

 日記をはじめとして文を書くときに、私たちは心の中で読者らしき誰かに向かって書いているものだ。モノローグ(独白)のつもりでも、対話が行われている。

 この本の読みやすさは、すっきりした文体によるだけではない。読者に呼びかけながら、著者が自身にも問いかけながら、書きすすめていることも要因なのではないか。

 辞書を作るのは机に向かっての孤独な作業という印象をもつけれど、それとはむしろ反対の姿勢が貫かれている。実際に使われている言葉の変化に鋭敏で、ふだんからアンテナを張り巡らせて「ワードハンティング」する。過去の用例に照らしてそれを検証することも忘れない。

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