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梯 久美子・評『海辺の生と死』『国語と教育』

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生活の中で生まれた言葉の豊かさを思う

◆『海辺の生と死』島尾ミホ・著(中公文庫/税抜き648円)

◆『国語と教育』柳田国男・著(河出書房新社/税抜き2000円)

 島尾敏雄夫人で、小説『死の棘』のモデルになった島尾ミホさんに『海辺の生と死』という短編集がある。奄美群島の加計呂麻(かけろま)島で育った幼少時代の回想記だ。その中の「浜辺の死」は、海岸で牛が屠(ほふ)られるのを見る話である。

 生前のミホさんと話したとき、子供たちが豚や牛を屠るのを見に行くのは、当時の島ではよくあったことだと言っていた。子供にも「分け前」として肉が配られたそうだ。

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