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日航機事故30年

生還可能性に挑んだ技術者とパイロット

事故機の墜落直前の航跡を再現した事故調査委員会作成の立体模型。事故機は右旋回しながら山腹に2度接触、御巣鷹の尾根(上部中央右寄り)に激突した=1987年撮影

 「圧力隔壁の修理ミスから、尾翼が破壊、同時にかじなどを動かす油圧系統が四つとも喪失したことにより迷走飛行の末、墜落した」。30年前の日航ジャンボ機墜落事故の原因を、事故調査報告書はそう記す。尾翼を失った事故機が操縦により生還できる可能性はあったのかは、事故後の大きな焦点となった。この問題を解明するため、機器解析や飛行再現実験に取り組んだ技術者とパイロットが作業の全容を証言する。

 航空宇宙技術研究所(NAL=現在はJAXA)飛行特性研究室長だった川幡長勝さん(74)が、事故調査委員会から専門委員に指名されたのは、事故から10日後。航空機制御の専門家で、コンピュータープログラムにも明るい川幡さんが命じられたのは、回収されたデジタル・フライト・データ・レコーダー(DFDR)の解析だった。DFDRには、事故機の飛行中の姿勢や速度が記録されており、墜落までの航跡を解明するための最重要資料だった。

 川幡さんは事故から約1カ月後の9月10日、初めて現物を見た。DFDRの記録媒体は、半導体が使われている現在と異なり、4トラックの磁気テープ。墜落の衝撃によりテープは3カ所で切断され、接着テープで修復されていた。

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