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小玉 節郎・評『真夜中の北京』ポール・フレンチ/著

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実在の事件の謎解きを歴史とともに堪能する

◆『真夜中の北京』ポール・フレンチ/著、笹山裕子/訳(河出書房新社/税抜き1700円)

  国際的な危機感が高まりつつある一九三七年一月の北京で、元英国領事の養女が惨殺される。これは実話で、濃厚、濃密なノンフィクションミステリーです。中国近現代史の専門家である著者がこの事件を知り、徹底的に資料を漁(あさ)り、事件を立体的に再構成してみせる。

 当時の北京には欧米や日本の公使館が並ぶ限定区域があり、その外は外国人が出歩くのは危険をはらむ。売春、アヘン、暴力、殺人は日常茶飯事。蒋介石の中国と共産中国が争い、ロシア革命から逃げてきたロシア人「金持ちと売春婦」がいる。そして、威張り散らす日本の軍人が目に見えて増加中。

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