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<社説>山口組分裂 抗争防ぎ市民生活守れ

 国内最大の指定暴力団山口組から傘下団体の一部が離脱し、新たな組織を結成した。

     現在の6代目組長の出身母体である「弘道(こうどう)会」(名古屋市)が組織運営で主導権を握り、前組長の出身母体で最大勢力の「山健(やまけん)組」(神戸市)など関西系の幹部が不満を募らせたことが分裂の背景にあるとされる。新組織は「神戸山口組」を名乗り、山健組の組長がトップに就いた。

     組織同士の対立が抗争にエスカレートすれば市民が巻き込まれる恐れがある。警察庁は全国の警察本部の担当課長を集めて対策を検討し、金高雅仁長官は「市民生活の安全に万全を期し、暴力団の壊滅に向けた取り組みを進める」という方針を示した。警察は組織を挙げて警戒と取り締まりを強化し、活動を封じ込めなければならない。

     山口組の構成員と準構成員は約2万3000人に上り、暴力団全体の半数近くを占める。警察にとって、山口組をどう弱体化させるかが急務とされていた。

     用心棒代などの要求を禁じた暴力団対策法や、暴力団への利益供与などを規制した暴力団排除条例は、暴力団の資金源を断つのに一定の役割を果たしてきた。暴力団の不当な要求に応じない企業も増えている。

     その一方で、暴力団は巧妙に実態を隠しながらヤミ金融や違法な労働者派遣業、振り込め詐欺などにかかわり、不当な利益を得ている。それに加えて山口組は関東進出などで全国に勢力を広げ、他の暴力団と関係を強化し水面下で影響力を強めてきた。資金ルートの解明が組織の解体に欠かせない。

     山口組を巡っては1980年代、4代目組長の就任に反発し独立した「一和(いちわ)会」との間で「山一抗争」が起き、100人近い死傷者が出た。97年にナンバー2の幹部が射殺された際、市民が流れ弾に当たり死亡している。今後、縄張り争いなどのいざこざが大きな衝突になりかねない。市民が巻き添えになるのを防ぐことが警察の最重要課題だ。

     暴力団の壊滅には、組員を脱退させて社会復帰を促すことが重要だ。警察や各都道府県の暴力追放運動推進センターが相談に応じており、元組員を雇用した企業に給付金を支給する制度もある。離脱支援で年間500人前後が暴力団を離れている。職業安定所や弁護士会などと連携を強めて取り組みを広げたい。

     一般市民への襲撃を繰り返した特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)に対し、警察庁は全国から応援部隊を投入し集中捜査に当たり、最高幹部が殺人罪など複数の事件で起訴された。山口組の対策にも警察の威信がかかっている。

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