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feat.瀧波ユカリ/166 高齢者デジタルデバイド

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 今回は高齢者のデジタルデバイド(デジタル機器を使えないことによる格差)解消法について、みなさんの意見を集めたいと思います。

 2014年版の通信情報白書によると、13年末のインターネット利用率は過去最多の82.8%ですが、年齢別に見ると、70代は48.9%にとどまり、前年比微増です。さらに80代は22.3%で、前年の25.7%よりも下がっています。所得世帯年収別にも大きな格差があり、都道府県別の利用率も大都市圏で高く、地方で低くなっています。

 米国では、クリントン政権時代に、情報にアクセスし、発信できる権利を、教育や図書館、電話サービスなど公共の権利の一部と考え、多くの政策投資を行いました。

 日本でも総務省が07年にデジタルデバイド解消戦略会議を設置。ブロードバンド(高速大容量通信)の整備や、携帯電話が通じないエリアの解消などのため、補助制度などを作りました。しかし、これはハードウエアや通信網の整備にとどまっており、公共の認識にまで及んでいません。結果として格差はいまだに存在しています。

 ソフトウエア面では、納税や国勢調査がウェブ対応となりました。コマーシャルも、「続きはウェブで」というものが増え、既存メディアでは十分な告知がなされなくなってきました。

 近年、高齢者の情報格差が広がってきた背景には、インターネット疲れのほか、スマートフォンをはじめ、端末や検索方法が複雑化してきたこと、老眼などの老化現象で必ずしもデジタル機器を持つことが、ライフスタイルに適していないことなどが挙げられます。

 しかし、東日本大震災の時には、デジタル経由の情報を持つか持たないかで、情報を的確に把握したり、助けを得る方法を検索したりするときに、差が生じました。日常生活においても、デジタルに詳しい人は、さまざまな財・サービスの市場での適正価格を理解しやすくなり、割高なものを買う可能性が下がるのです。

 これから、どのような激変が起こるか分からない時代です。また、政府やマスメディアの意見や情報が自分に合っているか、正しいかについての検証も必要です。すべての人が持っていないのなら格差は広がりませんが、一部の人だけが持っている情報が増えるほど、持っていない人は不利になってしまうのです。

 高齢者は高齢者専用端末ではなく、若年層と同じものを使いたいと思っていますし、講習会ではなく、身近な友人や子どもから、使い方を習いたいと思っています。どうしたら、身近な人や地域の高齢者のみなさんに情報を送ることができるのか、ぜひ皆さんの意見やアイデアを教えてください。(経済評論家)

 ◇ご意見をニュースサイトへ

 ご意見をニュースサイトで受け付けています。どなたでも投稿できます。14日までの投稿の中から勝間さんが選んだご意見を、次回ご紹介します。ふるってご投稿ください。スマートフォン、タブレットでも閲覧・投稿ができます。全投稿者の中から1テーマにつき1人に図書カードを進呈します。次回は22日掲載。

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