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弱い国排除のドイツの“暴走”
財政危機に陥っているギリシャに対し、欧州連合(EU)が3年間で最大860億ユーロ(約12兆円)の新たな金融支援策を今年8月に決定、2009年から続いた債務危機に一応の区切りがついた。ギリシャを巡る最近の混乱は、今年1月に発足したギリシャの最左派・チプラス政権が、緊縮策を最優先するこれまでの救済策に異議を唱えようとして、ドイツなど債権国に力でねじ伏せられたのが構図だ。国民投票まで強行したチプラス政権の反抗的態度に、ドイツはギリシャの一時的なユーロ圏からの排除を提案するなど「暴走」(独メディア)、今後のEU統合に暗い影を落としている。
今回のギリシャ危機は、更迭されたバルファキス元財務相の派手な言動や、国民投票などサプライズを繰り返すチプラス首相(当時)の存在感で注目を集めたが、債務危機自体は深刻でなかった。
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