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やってみよう模擬投票

神奈川県立湘南台高校 黒崎洋介教諭

模擬投票は放課後に行う。投票箱や記載台は藤沢市選管から借りた本物=神奈川県立湘南台高校で

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 神奈川県では全県立高校で参院選のたびに模擬投票を行っている。将来、積極的に政治参加する市民を育てようと、2010年から県が主導している試みだ。その推進校である県立湘南台高校(藤沢市)で、キャリア教育・シチズンシップ教育を担当する黒崎洋介教諭(28)の実践を紹介する。

     湘南台高は全日制普通科高校(3学年21学級)。卒業生のほとんどが大学や専門学校に進学する中堅校だ。

     模擬投票は参院選に合わせて3年ごとに行われるため、在学中に必ず1度は体験することになる。13年7月の参院選では、比例代表と選挙区の両方で実施した。具体的な指導法は神奈川県教委の指導用参考資料、ガイドブックにのっとって行われ、県の指導例では、公民科科目「現代社会」において、50分×4回の授業時間を設定している。

    ●事前学習が大切

    シチズンシップ教育を担当する黒崎洋介教諭

     投票に先立ち、事前学習の授業を設ける。選挙制度や選挙区、政党について、また選挙の目的と意義を確認し、若年層の投票率低下に関しても考えさせる。黒崎教諭は「事前学習をどれだけするかで投票行動は変わる。特に選挙の争点が理解できるよう進めます」と説明する。

     各党のマニフェストが出そろう公示日後、公約を比較検討する授業を設ける。実際の候補者を対象に、選挙公報や新聞記事を使って自分の考えをまとめ、身近な社会の問題について話し合わせる。家庭で保護者や家族と話題にしてもらうことも有効だ。

     気になるのが、教師の政治的中立性をどう担保するか。

     模擬投票においては、教師が資料を作成したり、新聞を配布したりすることを県教委は禁止している。配ってよいのは選挙公報のみ。新聞は生徒に持って来させる。また、生徒に意見を求められることもあるが、特定の候補者や政党を支持するような発言はしない。「たとえば一方に議論が偏った場合はあえて異論を出すなど、指導上で工夫します。生徒は自ら調べ、考えることで政治への関心を高めていく」と黒崎教諭は話す。

    湘南台高校では模擬議会にも取り組んでいる。安楽死法案など社会の課題について話し合う

    ●いよいよ投票

     模擬投票は実際の投票日の前日までに実施する。13年7月21日投開票の参院選では、同12日の放課後に模擬投票を行った。藤沢市選管から実際の投票箱や記載台を借り、本物に近い環境を作り、生徒の氏名が記された整理券を配布し、投票所(校内6カ所)で投票用紙と引き換えるという仕組み。投票するかしないかは自由で、棄権しても学習評価の対象としない。事務作業は生徒18人で作る「模擬投票プロジェクトチーム」が担当した。

     開票は夏休み明け。実際の選挙結果の確定から30日以上経過してからという決まりだ(県の指導書による)。また模擬投票の結果の公表は学校内にとどめ、外部への情報提供はしない。

     開票後、事後学習として、実際の選挙と模擬選挙の結果を比べ、投票率について考える授業を行う。また一連の学習を行ったことで、自分の政治意識がどう変化したのかを振り返らせる。

    神奈川県立湘南台高校(藤沢市)

     前回の選挙後に生徒に行ったアンケートでは「高校生にも難しくないと分かった」「各政党の立場の違いが勉強できた」などの意見があった半面、「もっとテレビや新聞で情報収集しておけばよかった」といった感想もあった。投票率は3学年全体で約51%だった。

     難しいのは争点がいくつもある場合。また、比例代表よりも選挙区の候補者は比較がしにくい。黒崎教諭は「消費税や社会保障問題など、今ある政治課題についての予備知識がないと投票につながらない。普段から政治について学ぶ仕組みを作ることが大切だと感じます」。

     湘南台高が目指すシチズンシップ教育とは18歳を市民にすること。「大人になる“構え”をつくることを保障する教育が、高校に求められています」と話している。【五十嵐英美】

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