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勝間和代のクロストーク

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feat.瀧波ユカリ/167 高齢者デジタルデバイドの解消

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 高齢者のデジタルデバイドの原因について、大きく三つの指摘がありました。

 一つめは、操作方法の難しさと学習機会の不足。端末の種類や技術がどんどん変わり、ソフトウエアも新しく更新されるので追いつくのが大変です。教える方も、何を教えるべきか、迷いがあります。

 二つめは価格です。年金生活者には、通信料や端末代、ソフトウエア代が、月に数万円近くなるのは高すぎます。水道料金や電気料金と比べると、割高なのは明らかです。

 三つめはデジタルを使ってどのようなメリットを得るのかについてのばらつきです。税申告や写真の整理加工から、親しい人とのメールなど、単なる情報収集だけではなく、より自らの興味に根ざした目的があれば、意欲がわくようですが、単なる情報収集ではハードルが高くなります。

 操作方法について、大塚哲郎さんは、父親に操作方法を教えたのに、運動機能の低下からダブルクリックしたつもりがシングルクリックになっている、記憶の衰えから1週間で手順を忘れてしまうなど、離れてサポートをすることの難しさを感じ、近隣の60代のボランティアなどによる操作教育や、カメラを通じた見守りを提案しました。

 Etsuko Okamotoさんは、パソコンインストラクターの経験から、集会所やスーパーなどで大人も子どもも参加して、楽しく過ごせる集まりを作り、学ぶことを提案しました。

 ベストアンサーに選びたいのはTakashi Sakamotoさんで、既にそうした集まりを実行し、平均年齢72歳の同好会を月に2回開催。インストラクターが来てくれるともっとよいそうです。

 価格について、複数の投稿者が、インフラとして普及したいのであれば、水道料金並みを目指すべきだとしています。80歳のぼけろうさんは、歩けないためネットを利用していますが、月に2万円もかかっています。ただし、高齢者のみ優遇したり、補助金を出したりすると市場がひずむため、どういう形が効果的か、調査が必要でしょう。

 うれしい体験について、82歳のYoshirou fujimuraさんは、確定申告と、趣味のカメラの写真加工でパソコンを使い、作品をネットに投稿して横のつながりができました。うめのみさんも、コミュニケーションとしての使い方が普及を促進させると指摘しています。

 デジタルについては、仲間とともに習うこと、コミュニケーションに役立つ使い方を知ること、それが月に端末代やソフトウエア代も含めて数千円程度で収まれば、普及の可能性が高まるでしょう。コミュニケーションの格差と考えると、より解決の糸口が見えてくるのではないでしょうか?(経済評論家)=「勝間和代のクロストーク」は、紙面での掲載は今回で終わります。ニュースサイトでは、クロストークのコーナーを続けます。

 ●勝間さんの提案(8日掲載)

 高齢者のデジタルデバイド(デジタル機器を使えないことによる格差)が広がっている。災害時や日常生活でデジタル機器を使いこなせないと不利になることも増えた。どうしたらよいのか、解消法について意見を求めたい。

 *投稿全文はニュースサイトで見られます。

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