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堀 和世・評『アメリカは食べる。』東理夫・著

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腹が減っては声も上がらない 舌と胃袋で実感する民主主義

◆『アメリカは食べる。』東理夫・著(作品社/税抜き3800円)

 安保法案の強行採決が秒読みに入っていた日の夕暮れ、国会横の歩道にいた。若者の活躍に目を見張る反対運動だが、デモの7〜8割は中高年で、安倍やめろと野太く響くコールにはやはり年季が入っている。歩道は満員電車並みに混み合うが、その満員電車で袖振り合った人が隣にいるかも、と考えると愉快だ。場に人の息と濃い体臭が満ち、それはまた己のものだ。

 デモが取り戻すと訴えた民主主義を日本に植え付けたのが、安保法成立を「歓迎」した米国だというのは歴史のダイナミズムだろう。1620年、メイフラワー号で米大陸に渡り「建国の父」と呼ばれる清教徒たちが、船内で結んだ誓約には法の支配(つまり立憲主義)と法の下の平等がうたわれた。本書の著者はメイフラワー誓約を「アメリカの民主主義の起源」とみなした上でこう述べる。

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