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小林 照幸・評『春画入門』車浮代・著

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“四位一体”が生んだ日本出版文化の金字塔

◆『春画入門』車浮代・著(文春新書/税抜き900円)

 世界が、先に驚いた。−9月19日より東京・目白の永青文庫で始まった日本で初開催となる「春画展」の宣伝コピーだ。

 春画は、性の営みを描いた浮世絵。男性の性器を強調した着衣による交わりの巧みな構成力と物語性、筆致の確かさ、鮮やかな色遣いの芸術性は19世紀のヨーロッパで高く評価された。2013年秋から14年年始の大英博物館での春画展は記録的動員となり、今回はその凱旋(がいせん)記念展。18歳未満は入場禁止も、江戸料理研究家の著者は本書で「公的に春画を鑑賞できる時代」の到来と喜ぶ。

 日本で春画は猥褻(わいせつ)画という見方もあるが、浮世絵の発祥、数々の技法を90点ものカラー図版も用いて解説した上で著者は、浮世絵師は2千人余いたが、春画は葛飾北斎、喜多川歌麿、鳥居清長、歌川國貞ら一流の浮世絵師でなければ依頼はこなかった、と強調した。依頼は江戸の出版システムに基づく。

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