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漫画で解説

「微生物の力です」の巻

ノーベル医学生理学賞に大村智さん 熱帯病の治療に貢献

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大輔さんが橘クリニックへやってきました。ゆうべからおなかが痛いそうです。 「下痢ならウイルスかもしれない」とダリア先生。 そのことで思い出したのでしょうか。話題はノーベル賞に。北里大学の大村智・特別栄誉教授が2015年のノーベル医学生理学賞を受賞しましたね。日本で3人目となります。 どんな功績が評価されたのでしょうか? 大村氏は、静岡県のゴルフ場周辺の土にいた新種の放線菌が出す物質から、寄生虫に効果のある抗生物質「エバーメクチン」を発見したのです。
「エバーメクチン」の構造を一部変えた駆除薬イベルメクチンを米製薬大手と開発しました。 蚊やブユが媒介する熱帯地方特有の「オンコセルカ症」(河川盲目症)という病気がありますが、この病気の特効薬として広く普及したことが評価されたのです。 分かりやすく流れをたどると、次のようになります。 土壌を採取して微生物培養▽有望な候補を選ぶ▽有効成分を抽出▽動物で薬効を確認▽人で有効性を確認。すると、熱帯病の治療が飛躍的に発展したというわけです。
このおかげで3億人が救われ、オンコセルカ症は2025年ごろには撲滅される見通しです。イベルメクチンの商品名はアフリカの子供たちもよく知っています。 しかし、大村氏は最初から研究していたわけではないのです。学生時代はスポーツに没頭し、距離スキーで国体に出場したこともあります。 大学卒業後は定時制高校の教師をしていましたが、ある時、生徒の指が油にまみれているのを見て一念発起。郷里の山梨大などで微生物の面白さに触れ、その後、29歳で北里研究所に入りました。 大村研究室の成果をまとめた冊子は「イエローブック」と呼ばれ、世界中の研究者の参考書になっています。
大村氏は美術を愛することでも知られ、出身の山梨県韮崎市に美術館を開館して寄贈。美術館のそばには大村氏が造った温泉施設「白山温泉」もあります。 さまざまな貢献をしてきた大村氏なのですが、ノーベル賞の受賞会見では「私の仕事は微生物の力を借りているだけ」と繰り返し語りました。とても謙虚な人なのですね。 そこで、どうやら大輔さんも謙虚なお願いがあるらしいです。 「は、早く下痢止めの特効薬をください」。ダリア先生は忘れていた様子です……。

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