SUNDAY LIBRARY

陣野 俊史・評『レコードと暮らし』田口史人・著

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

手間と時間をかけて肉薄する楽しさを知る

◆『レコードと暮らし』田口史人・著(夏葉社/税抜き2200円)

 何か、凄(すご)い本を読んだな、というのが第一印象だ。著者の言う「レコード」というのは、音楽を録音したLPレコードを指すのではない。もちろんそうしたアナログ盤もたくさん聴いているのだろうが、この本で語ってあるのは、ポータブル・レコード・プレーヤーにのっけるような、ぺらぺらのビニール盤のことが多い(死語になりかかっているのを承知で言えば、「ソノシート」などだ)。

 著者のビニール盤の集め方が興味深い。とにかく、全国を回る。古道具屋さんで気になるビニール盤を手に入れる。たとえば、夕張観光協会が制作した「黒ダイヤばやし」という音頭。あるいは、奄美大島在住の盲目の少女が、沖縄のアメリカ人宣教師の勧めで賛美歌を歌い始めたら、ひょんなことから、アメリカのキリスト教系放送局からリリースされたレコードとか。

この記事は有料記事です。

残り491文字(全文891文字)

あわせて読みたい

注目の特集