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feat.瀧波ユカリ/169 児童ポルノ規制は人権保護のため

イラスト・瀧波ユカリ
イラスト・瀧波ユカリ

 児童ポルノ規制は関心の高いテーマで、他のテーマより多くの意見が寄せられました。そして、議論を通じて明確になってきたのは、この「児童ポルノ禁止法」の趣旨が児童虐待の防止であるのに対し、一部の人からは「表現の自由」や一般書と区分して陳列する「ゾーニング」の問題、あるいは、二次元(アニメ、ゲームなど)や小説への規制にまで発展すると誤解されていることです。

 誤解の原因は法律名も影響しており、matsmomushiさん、匿名希望さんらは、児童ポルノというあいまいな名称ではなく、規制の対象が「児童性虐待記録物」であると認識することを推奨しています。

 年齢に対する誤解の理由は、AK1974さんの指摘の通り、「児童」について、児童福祉法では18歳未満、学校教育法では小学校に在籍し初等教育を受けている者、道路交通法では13歳未満と定義しているなど、法律によって定義がばらばらなことも一因です。この点も整理する必要があるでしょう。

 一方、児童虐待の防止を盾に、単純に不快だからという理由で多様な表現物が社会的な排除の対象になることを懸念する投稿も葛飾区さんら複数からありました。

 もっとも、私は女性ですので、uniさんの指摘の通り、「男性の性欲はコントロールが難しいということが前提であり、それを社会が容認しすぎていて、女性がその欲を受けてもいいという社会的メッセージがあり、それが児童性虐待を助長する可能性がある」と考えています。

 さらに、児童が自分で判断ができるかどうかということについて意見が分かれました。しかし、わずかな事例から「判断できるのだから規制すべきでない」という意見は受け入れがたく、実際に児童性虐待記録物がこれまで流通してきており、あるいは、児童性虐待に遭っている実例が多数ある以上、ここだけは譲れない部分だと考えます。

 表現の自由やゾーニングと、虐待防止のバランスで難しいのが、前述した社会的メッセージです。あまりにも表現を認めすぎると社会的メッセージが容認に傾き、結果として虐待につながる恐れがあることを懸念しています。分離して考えればいいという意見もありますが、残念ながら区分はできても、分離は難しいのです。

 今回のベストアンサーには、匿名希望さんが、正式な名称では「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」の成立背景とその目的について詳しく解説をしているコメントを選びたいと思います。児童性虐待記録物が作製されることで、児童の人権を侵害するほか、さらにその記録物が不特定多数に渡り、長年所持されることで被害が甚大になることを指摘しています。

 児童虐待防止のためには、単なる規制に頼るだけではなく、Shimpei KitamuraさんやYasuhito Nakaiさんが指摘する通り、児童やその保護者が人権や法律について、より理解をしていくことが肝要だと考えます。それは家庭教育や、学校教育、あるいはこの記事のようなメディアの役割だと考えます。

 今回の記事により、児童ポルノの規制の目的が児童の人権保護であるということについて、再度喚起を促すものになれば幸いです。

(経済評論家)

 ●勝間さんの提案(7日掲載)

 日本は児童ポルノについて、先進国の中で寛容だとされてきた。一方、規制を厳しくしすぎると、表現の自由とのバランスが問題になる。「児童ポルノのグレーゾーンをもう少し狭め、性的なイメージであっても、見えなければいいという文化について見直すべきでないか」と提案したい。

 *ご意見も引き続き受け付けます。

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