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もう一度読みたい

<文士たちの人生相談4>宇野千代さん 逆の生き方を勧める=1984年8月

宇野千代さん

 作家が回答する人生相談記事を再録する「もう一度読みたい<文士たちの人生相談編>」の第4回は、27日の第2回に続き作家の宇野千代さん。人をねたんでばかりだという自分の性格について悩む27歳の公務員にアドバイスする。

<1984年8月26日 毎日新聞東京本社日曜版11面>

 問 私は否定的な人生観の持ち主で、欲求不満のかたまりの様な人間です。いつもイライラした不愉快な毎日を送っています。他人の幸福は即、自分の不幸と思い、反対に他人の失敗や不運を内心喜ぶといういやらしい性格です。他人の足でも引っ張らないと、自分の幸福はないようにも思います。こんな私は、どのようにすれば、またどのような考え方にすれば、もう少し肯定的な人生観を持ち、他人の幸福を一緒に喜べる人間になれるでしょうか。(兵庫県西宮市 S・T 公務員 27歳)

 答 あなたの手紙を読んで私は、何と言うこの人は面白い人なのだろうか、と思ったものです。あなたの質問はそっくりそのまま、あなたに対する回答になっているのに、そして而(しか)も、あなたはそのことを凡(すべ)て知っているのに、それでもまだ、私に質問しているからなのです。

 人間と言うものは、おかしなものですね。何から何まで、手にとるように知っている自分のことを、自分の口からではなく、他人の口からもう一ぺん、聞きたいものだ、とでも思っているのでしょうか。

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