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小玉 節郎・評『赤い博物館』大山誠一郎・著

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切れ味の良い推理と謎めいた魅力が光る

◆『赤い博物館』大山誠一郎・著(文藝春秋/税抜き1600円)

 書名にある博物館は「警視庁付属犯罪資料館」のことで、怜悧(れいり)な美人館長が仕切っている。

 ここには事件発生後一定期間が過ぎた「犯罪と捜査の記録や資料・証拠品」が保管される。解決未解決の別なく、始末がついた事件の資料が集まる。ほぼ物置き状態だが、一件ごとに検索できるよう整理・データ化の最中だ。ここに捜査一課から左遷された元巡査部長が配属され、物語が始まる。

 日々の作業中に、館長が未解決事件に目を留める。口には出さないが「この事件の真犯人を特定できる」と判断し、部下に調査を命ずる。説明なしの命令に、部下は「なんでそんなことを調べなきゃいけないんだ?」と不満タラタラだが、命じられた通りに調べる。

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