メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

Listening

<自公議員>立場変われば 民主政権「議事録なし」追及の9人 憲法解釈変更では「不問」

[PR]

 集団的自衛権行使容認の閣議決定(昨年7月)を巡り、内閣法制局が検討過程を公文書に残していなかったことが判明したが、民主党政権時代にも東日本大震災関連の会議で議事録が作られていなかったことが問題化した。この時政府を批判した自民・公明両党の議員9人に法制局の問題について意見を求めたところ、回答したのは2人で、問題があるとする意見はゼロだった。【日下部聡、樋岡徹也】

 震災関連の議事録未作成は、震災の翌年に問題化した。中央省庁の担当者は「忙しかった」「作成義務があるとは思わなかった」と釈明。政府の公文書に対する意識の低さに批判が集まり、当時野党だった自民・公明の10人以上の議員が国会審議で追及した。

 一方、法制局が検討過程を公文書として残していなかったことについて、担当した元参事官は取材に「国会答弁のおさらいが多く『頭の整理』だった」と話し、記録は不要と判断していた。

 議事録未作成問題を追及した自公議員は、今回の法制局の問題をどう考えるのか。当時追及に熱心だった宇都隆史▽中曽根弘文▽斎藤健▽三原じゅん子▽梶山弘志▽塚田一郎(以上自民)▽山口那津男▽高木陽介▽魚住裕一郎(以上公明)−−の衆参両院議員9人に取材を申し込んだ。

 「ブーメラン、飛んできたねえ」。面談取材にただ一人応じた塚田氏は冗談めかして言った。2012年8月の参院決算委員会で、政府会議の議事録の作成や保存、公開のルールがあいまいだと当時の岡田克也副総理を追及し、早期のルール作りを求めていた。

 しかし、法制局の問題については「長官が国会で長時間説明している。法制局にもあるのがベターかもしれないが、国会の議事録で補完されるのではないか」と、歯切れが悪かった。

 「民主党は責任政党の名に値しない」。12年2月の参院予算委で批判した三原氏は、「内閣法制局において法に基づき適正に対処されたものと考える」と、事務所を通じ文書で回答。問題はないとの見解を示した。取材に応じたのはこの2人だけだった。

 公文書管理法の観点から、熱心だったのは公明党議員だ。党代表の山口氏は12年1月の参院本会議で、行政機関に記録作成を義務づける同法第4条に言及し、野田佳彦首相を批判。高木氏も2月の衆院予算委で、34分間にわたって岡田副総理らを追及した。しかし、法制局の件で山口氏は「今回は回答しない」、高木氏は「(経済産業省・内閣府)副大臣の公務が忙しく、受けられない」といずれも事務所を通じて回答した。


 ■解説

ご都合主義すぎないか

 公文書管理法第4条は政府機関に、「意思決定に至る過程」や「事務や事業の実績」について記録文書の作成を義務づけている。

 その理由を、実は東日本大震災関連の議事録未作成問題を野党として追及した自民、公明両党の議員の多くが指摘している。例えば山口那津男・公明党代表は「未曽有の原発事故に直面し、政府の対応を検証できるようにするため議事録を残すことは、現在の国民及び将来の国民に対する重要な政府の責務」と述べ、公文書管理法違反だと断言した。

 今回の内閣法制局の問題も本質は同じだ。

 憲法9条解釈の重大な変更をなぜ容認したのか、検証可能な記録が作られていない。公文書を残したり公開したりすることは、日本が民主主義国家である限り、政治的立場に関係なく必要なことだ。

 国会の議事録を読む限り、当時の与党・民主党の議員が震災議事録問題を追及した形跡はない。この時、自民党の斎藤健衆院議員(現副農相)は「政治家の歴史に対する責任感の問題として、与野党を超えて整理をしていかねばならない」と訴えた。

 与党だからといって法制局の問題に沈黙するなら、「ご都合主義」のそしりを免れないだろう。【日下部聡】


 ■ことば

東日本大震災関連の議事録未作成問題

 国の原子力災害対策本部や緊急災害対策本部など、震災関係15会議のうち10会議で議事録を作っていなかったことが2012年1月に政府の調査で判明し、国会で問題化した。これを受けて内閣府の公文書管理委員会は同年6月、災害時に政策決定を行う会議に議事録の作成を義務づけるなど公文書管理の指針を改正した。

コメント

投稿について

読者の皆さんと議論を深める記事です。たくさんの自由で率直なご意見をお待ちしています。

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

利用規約

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「もう一度めぐみを…」 講演1400回、署名1300万超…声を力に訴え続け 横田滋さん死去

  2. 東京メトロ虎ノ門ヒルズ駅が開業 日比谷線全線開業から56年で初の新駅

  3. ORICON NEWS 生田斗真&清野菜名が結婚発表「お互いを支え合いながら共にこの危機を乗り越え」

  4. 自衛隊員の「テンピン停職」知りながら…法務省、黒川氏処分の「参考にせず」

  5. 「9月入学」狂騒曲 首相「指示」で始まったが…文科省幹部「最初から無理だと」

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです