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<無戸籍問題キャンペーン>法改正から運用見直し通達へ

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法務省の通達の運用が始まった初日、離婚後妊娠のケースで医師の証明があれば出生届を現夫の子で出せるようになり、母親が乳児を抱えて届け出た=東京都墨田区役所で2007年5月21日、内藤絵美撮影
法務省の通達の運用が始まった初日、離婚後妊娠のケースで医師の証明があれば出生届を現夫の子で出せるようになり、母親が乳児を抱えて届け出た=東京都墨田区役所で2007年5月21日、内藤絵美撮影

 「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」と推定する民法772条の運用を法務省が民事局長通達で見直す方針が明らかになったのは2007年4月5日。自民、公明の与党プロジェクトチーム(PT)は、離婚前妊娠も救済対象とする772条の運用の見直しと733条の改正(再婚禁止期間の6カ月から100日への短縮)をセットにして、長年の課題を抜本的に解決することを目指してきたが、その議論が熱を帯びてきたのを計ったように示された限定的な通達の対策だった。当時の記事(07年4月6日、同28日のいずれも朝刊)には、新法について今後も検討する趣旨が書かれているが、今も「離婚後妊娠が医師の証明で明確なら現夫の子での出生届を認める」としたこの通達を超える救済策は出ておらず、離婚前妊娠は裁判を経るしかない。同通達を出したのが当時法務省民事局長だった寺田逸郎現最高裁長官。今月16日に再婚禁止期間規定が違憲かどうか判断する最高裁判決の裁判長を務めるのが寺田長官だ。法務省が07年に初めて行った調査では、通達で救済されるのは全体の1割に過ぎないとされる。昨年から無戸籍の実態調査を始めた法務省によると、11月10日現在で全体の約2割の自治体で把握されている無戸籍は少なくても680人に上る。今回の判決は、733条が規定する再婚禁止期間について判断するが、新法案にも盛り込まれていた密接な関係にある733条と772条の規定。判決が無戸籍問題にどんな影響を及ぼすのか。【照山哲史】

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