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生命保険 高齢化、所在不明…未払い一時は20億円にも

 「契約者の死亡が確認できない」などの理由で未払いの保険契約が増えていることが、生命保険各社の調査で分かった。保険業界では2005年、支払いを不当に拒む不払いが問題となったが、今回は、高齢になった契約者との連絡が途絶えたり、受取人も亡くなったりしたため、保険金の請求自体なされていなかった。各社は昨夏以降の調査で20億円規模の未払いを確認し、支払ったが、高齢化を背景に「宙に浮く保険金」が多発している模様だ。

     高齢で寝たきりになったり、認知症になったりすると、保険会社の担当者との対応が難しくなるほか、保険料の払い込みが終わって連絡が途絶えがちになるなどの問題が発生する。多くの保険会社で、70歳以上の高齢者が契約者の2割前後を占めるようになり、金融庁は昨年、保険業界に対応を要請。生命保険協会が高齢者の連絡先を把握して支払い漏れを防ぐ指針を作成し、生保各社は昨夏から専門チームを設けるなどして調査を行った。

     中堅の富国生命保険と太陽生命保険は70歳以上、それ以外は主に90歳以上の契約者に連絡を取るなどして、死亡や疾病時の保険金を請求していたか確認。判明した保険金の未払いは、富国生命で446件、約12・3億円▽朝日生命保険で104件、約4・3億円▽三井生命保険で35件、約3億円▽住友生命保険で20件、約4800万円に上った。金額は判明していないが、太陽生命で約130件、明治安田生命保険で約70件、日本生命保険でも約20件あった。第一生命保険は未払いの有無を公表していない。

     所在が把握できた大半の契約は支払いを済ませたが、まだ所在不明の契約者もおり、調査を続けている。中でも、70歳以上の契約者を調べている富国生命と太陽生命は、所在不明で未払いの保険金があるかどうかも分からない契約者が富国で約1600人、太陽で約300人いる。生命保険の支払額は平均300万円で、このまま支払先が判明しなかった場合、単純計算で総額57億円分の保険金が宙に浮く計算だ。

     さらに、富国生命と太陽生命以外の調査は、契約数が多い70〜80代を対象外としている。大手の場合、70歳以上の契約者の総数は数百万に上り、訪問や電話などの確認作業に多大なコストと時間が必要になることなどが理由と見られる。「大手各社が70歳まで調査範囲を広げれば、未払いの数は数十万件に拡大する」(生保大手)との見方もある。【土屋渓】

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