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社説

欧州の極右躍進 排外主義拡大を憂える

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 フランスの州(地域圏)議会選挙で初めて、移民排斥を訴える極右政党「国民戦線」が全体の得票率で首位に立った。先月のパリ同時多発テロや、中東などから難民の流入が続いていることが有権者の不安をあおり、排外主義が広がっていることの表れだとすれば憂慮すべき事態だ。

 今回の第1回投票で、各州での得票率が10%以上だった政党や政党連合が13日の第2回投票に進み、その結果で議席配分が決まる。国民戦線は今回、本土の全13州のうち6州で最多票を獲得した。第2回投票でも勝てば、事実上の首長にあたる議長を選出し、州の行政権を握る。

 マリーヌ・ルペン党首は、イスラム過激思想を持ち込む外国人や移民の追放などを訴え、オランド大統領はじめ歴代政権の治安対策の失敗を非難してきた。州議会選の勝利で勢いに乗り、2017年の大統領選につなげることを狙っている。

 「反移民」を掲げる右派勢力は欧州各地で躍進している。10月のポーランド総選挙では、難民や移民の受け入れに反対する右派政党が勝って政権を獲得した。スイスでも移民排斥を掲げる右派政党が得票を増やして第1党の座を維持した。デンマークでは6月の総選挙で極右の国民党が第2党に躍進して影響力を強め、欧州連合(EU)との連携強化案が12月の国民投票で否決された。

 戦後の欧州は、中東やアフリカから難民や移民を積極的に受け入れ、多様な文化が息づく社会の形成を目指してきた。ドイツのメルケル首相が今夏、シリアなどからの多くの難民の受け入れを表明したのは、こうした欧州の寛容さを守ろうとする姿勢の表れだろう。

 その寛容さが今、厳しい批判にさらされている。難民の急増やテロがそれに拍車をかけ、異質な移民を排除しようとする動きが強まっているのは残念だ。

 難民に偽装したテロリストは摘発しなければならない。だが難民や移民をひとくくりにして敵視することは新たな憎しみを生み、問題の解決にはならない。

 米国でも大統領選の共和党候補者指名争いで支持率トップのトランプ氏がイスラム教徒の入国禁止を訴えた。排外主義が世界に広まっていることを懸念する。

 昨年の欧州議会選でも移民排斥を訴える極右勢力が躍進し、フランスでは国民戦線が第1党になった。今回の州議会選での躍進はその延長線上にある。経済の落ち込みや失業の増加にあえぐ国民の不満をたくみに吸い上げた結果でもある。

 本当に必要なことは経済・社会政策の立て直しであり、難民や移民を不満のはけ口にすることではない。

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