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くらしナビ・気象・防災

温暖化でも「ドカ雪」 厳冬期、局地的に

 地球温暖化が叫ばれる一方で、日本では毎冬、大雪による被害が後を絶たない。温暖化と冬の寒さや降雪の関係は、どうなっているのだろう。

西高東低の冬型の典型的な天気図。この日は日本海側だけでなく、雪雲が流入した太平洋側の平野部でも雪になった=気象庁提供

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 昨年、40年ぶりに大雪による災害対策本部を設置した秋田県。雪害による死傷者数は2010年度から3年連続で200人を超え、13〜14年の大雪では果樹を中心に約18億円の農作物被害が出た。県の雪害対策の担当者は「近年、局地的で急激な積雪が増えた印象がある」と語る。

 日本は「豪雪地帯」の指定面積が国土の約半分を占め、範囲は北海道から山陰までの計24道府県532市町村に及ぶ。集中豪雨と同様、最近は短時間にまとまって降る「ドカ雪」が目立ち、気象庁の統計では歴代最深積雪上位10地点のうち4地点が、ここ10年以内の記録。内閣府によると、年間数十人の水準が続いていた雪害による死者・行方不明者は、11〜13年にいずれも100人を超えた。

南岸低気圧の典型的な天気図。この日は西日本から東日本で大雪になり、東京都心でも30センチ近い積雪があった=気象庁提供

 大雪をもたらす典型的な気圧配置が、天気予報でよく耳にする「西高東低の冬型」だ。

 北西の季節風に乗って来るユーラシア大陸の冷たい空気が、比較的暖かい日本海の上を通る間に水蒸気をたっぷり取り込み、雲ができる。この雲が日本列島の中心を走る山脈を上がっていくうちに発達し、北海道や本州の日本海側に雪を降らせる。気象庁気象研究所の川瀬宏明研究官は「地上の気温が0度程度だと雪は降ってもすぐに解けてしまうが、山間部など気温が低い場所では、降りやすく、積もりやすい」と説明する。

大雪の中、屋根の雪下ろしをする男性=山形県朝日町で2011年1月、前田洋平撮影

 別の気圧配置でも、大雪は起こる。東シナ海や四国沖で発生し、日本列島に沿って東北東に進む「南岸低気圧」が発達すると、南からの暖かく湿った空気と北からの冷たい空気がぶつかり合って関東地方などに大雪を降らせることがある。

 このように降雪はさまざまな気象条件で起きるため、予測するのは簡単ではない。例えば、ペルー沖で海水温度が下がる「ラニーニャ現象」が観測されると、日本周辺では冬型の気圧配置が強まって寒い冬になる傾向があり、大雪をもたらすこともある。一方で、逆にペルー沖の海水温度が上がる「エルニーニョ現象」が起きても、南岸低気圧が発生しやすくなり、関東では雪の頻度が高まると考えられるという。

 さらに、地球温暖化との関係も複雑だ。

 最近の研究では、温暖化で北極海の氷が減ると、日本を含むユーラシア大陸の中緯度地域に北からの冷たい空気が流れ込んで寒冬になりやすいことが分かってきた。東京大大気海洋研究所の森正人・特任助教らの数値計算によると、北極の氷が少ない場合に寒冬になる確率は、氷が多い場合の2倍になったという。森さんは「ここ10年ほどに起きた日本の寒冬は、ラニーニャ現象と海氷の減少の相乗効果だった可能性がある」と指摘する。

 ただし、これも一時的な傾向という。温暖化がより進めば、地上の気温の上昇が海氷の影響を上回り「長期的には暖冬の年が増える」と森さんは予測する。

 雪の降る量はどう変化するのか。気象庁が今より気温が3度程度上昇した場合の降雪をシミュレーションしたところ、北海道の一部を除いて最深積雪や全体の降雪量が全国で大幅に減り、降雪期間も短くなった。しかし12〜2月の厳冬期で見ると、北海道の広い範囲と東北・北陸の山沿いで降雪が増えるとの結果が出た。

 気象庁の川瀬さんは、理由を「気温がもともと低い地域は気温が3度上がっても地上が0度以下なので、雪の降りやすさに変化はない。また、日本海の温度が上がることで水蒸気の供給量が増え、雪雲が発達しやすくなる」と解説する。雪害への警戒を解ける状況にはならなそうだ。【須田桃子】

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