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(72)緑が消えるシリア

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シリア中部ホムス郊外の農村地帯。牧畜や農業が行われている=2015年11月22日、秋山信一撮影
シリア中部ホムス郊外の農村地帯。牧畜や農業が行われている=2015年11月22日、秋山信一撮影

 4年以上にわたるシリア内戦は、森林の減少を招いた。農業省によると、内戦前に57万5000ヘクタールだった森林面積は、約3分の2に減少した。戦闘や放火による被害だけでなく、燃料価格の上昇によって燃料として違法に伐採されるケースが増えたことも要因だ。

 最も被害が大きいのは国土の北西側に位置するラタキア県、イドリブ県、ハマ県だ。政府軍と反体制派の激しい戦闘が広大な森林の消失を招いた。治安の混乱に乗じて、犯罪組織が森林を違法伐採し、冬の寒さをしのぐための燃料として売ることも常態化した。違法伐採の背景には、石油など燃料の不足と価格高騰が指摘される。

 広大な農業地帯が広がる首都ダマスカス郊外の事態も深刻だ。グータの名で歴史的に知られ、「ダマスカスの心肺」とも表現される重要な地域だが、今や絶え間ない戦闘にさらされている。農業省顧問のモファク・サイディ博士によると、木々は半分以上失われた。博士はダマスカス周辺の田園地帯が渇水や砂漠化に見舞われかねないとして、戦闘の停止と森林の保護を訴え続けている。

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