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短歌

私が選んだ今年の歌集

 伊藤一彦『土と人と星』(砂子屋書房)▽小池光『思川の岸辺』(角川書店)▽内藤明『虚空の橋』(短歌研究社)▽加藤治郎『噴水塔』(角川書店)▽大口玲子『桜の木にのぼる人』(短歌研究社)

 永田和宏が岩波新書『近代秀歌』『現代秀歌』を出した後に『人生の節目で読んでほしい短歌』(NHK出版)をまとめたが、これらは入門書ではない。短歌の本質を見直す好著であって、口語偏重、虚構依存、恣意的表現に傾斜しがちな新人層にこそ熟読してもらいたい。いかに定型の調べを生かして人間を歌うか、その本質論をいまや共に考えたい。

 小池光『思川の岸辺』(角川書店)▽香川ヒサ『ヤマト・アライバル』(短歌研究社)▽内藤明『虚空の橋』(短歌研究社)▽水原紫苑『光儀』(砂子屋書房)▽米川千嘉子『吹雪の水族館』(角川書店)

 馬場あき子『記憶の森の時間』(角川学芸出版)を初めとして充実した歌集が多かったなかで、上には六十代・五十代の著者の歌集をあげた。歌風はさまざまである。たとえば、小池と香川は同年ながら主題も文体も対照的で興味深い。評論集では吉川宏志『読みと他者』(いりの舎)、川野里子『七十年の孤独』(書肆侃侃房)他に注目した。

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