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平松 洋子・評『その道のプロに聞く 生きものの持ちかた』松橋利光・著

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大人も子どもも思わず指が動く

◆『その道のプロに聞く 生きものの持ちかた』松橋利光・著(大和書房/税抜き1500円)

 虫に遭遇すると、へっぴり腰になる。自分の指を差し出してみたくなるのはてんとう虫かホタルくらい。庭に柑橘(かんきつ)類の木があるから黒アゲハがときどきやってくるが、つかまえたりはせず、ひらひら飛んでいるのを目で追って楽しむだけだ。生きている蝉(せみ)を最後に持ったのはいつだったか、それもなかなか思い出せない。夏の終わり、道の途中に転がっている蝉が踏みつけられてしまうのが哀れで、そっとつまみ上げて土の上に移したりはするけれど。

 なのに、『生きものの持ちかた』にわくわくするのはどうしてだろう。指先にかすかに残っているカマキリ、クワガタムシ、トンボなんかの感触がなつかしいからだろうか。いや、違う。単純に知ってみたいのだ。そんな気持ちが自分のなかにあることも、ちょっと新鮮だ。

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