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ストーリー

ハンセン病と生きた70年(その2止) 有事に弱者切り捨て

旧陸軍病院の桜は巨木に成長していた。藤田三四郎さんは水晶体の手術を受けており、屋外ではサングラスが欠かせない=宇都宮市内で

 <1面からつづく>

 ◆元ハンセン病患者、三四郎さんの戦後70年

 藤田三四郎さん(89)との出会いは33年前、群馬県庁記者クラブで行われた「栗生楽泉園(くりうらくせんえん)患者50年史 風雪の紋」発刊の記者発表の席だった。患者自治会長の三四郎さんが56歳、前橋支局員の私が27歳の秋である。

 治療薬が普及してハンセン病が完治することは承知していたが、人権侵害を指摘されてきた隔離政策を柱に据えた「らい予防法」(1953年制定)が廃止される14年前のことだった。会見を終えて楽泉園の人々が立ち去ると、年長の記者が「消毒しろ」と事務員を促した。私は反論もせずに口をつぐんだ。

 50年史につづられた辛苦の歴史は衝撃的だった。翌週末、県北西部の標高1100メートルの高原にある楽泉園を訪ねた。以来、毎年のように園に通い、入園者が高齢で亡くなり、引き取り手のないまま骨つぼが納骨堂に並んでいく現実を目の当たりにした。「声を上げないのは同罪だよ」と諭してくれた入園者も昨春、82歳で他界した。

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