メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

鴻巣友季子・評 『プロローグ』=円城塔・著

 (文藝春秋・1836円)

小説という「ウソ」の臆面なさに対抗

 小説(散文)は、詩歌(韻文)という本能により近いものを離れて生まれた人工アートである。この臆面もない「ウソ語り」に対しては、とくにポストモダン以降、様々なツッコミが入れられてきた。今世紀に入ってからの日本ほど、小説のウソ臭さと戦う前衛/実験小説が盛んに書かれ、楽しまれている国はないのではないか。その筆頭作家である円城塔の『プロローグ』は、まさに小説が生まれゆく“序章”を描く「自称『私小説』」。登場人物が使用言語を認識し習得する過程という、書き得ないことから書いた不可能小説だ。

 冒頭は「名前はまだない」と始まり、「自分を記述している言語もまだわからない」と、この語り手は言う。…

この記事は有料記事です。

残り1229文字(全文1550文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 菅原経産相指示「この人はカニ、この人はイクラね」 立憲が元秘書の音声データ公開

  2. 慶大アメフット部を事実上の降格処分 関東学生連盟 部員の不適切行為で

  3. 「これ、死ぬわ」車、流され転落 脱出までの4分間をドラレコが記録

  4. 大学アメフット界またも…慶大部員、女子風呂“悪質”盗撮…無期限の活動自粛(スポニチ)

  5. 台風19号 寝室で増水 目の前で夫「世話になったな」…86歳妻「1人はつらい」福島・いわき 

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです