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今週の本棚・本と人

『あこがれ』 著者・川上未映子さん

 (新潮社・1620円)

はかないイノセンスのぬくもり 川上未映子(かわかみ・みえこ)さん

 「全部が青信号の道を車で走る感じ。これまでの経験や技術を信頼して、何の迷いもなく書けました」

 4年ぶりの長編小説は、小学生の少年少女二人のはかないイノセンスを封じ込めた、希望の物語になった。手応えが伝わる快作には包み込むようなぬくもりが満ちている。詩的な言葉の切っ先で、小説世界を構築してきたこれまでのスタイルが変質している。

 「麦くん」と「ヘガティー」は、仲のいい同級生の男の子と女の子。共に幼いとき片方の親を亡くしている。…

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