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岩間陽子・評 『日本陸軍とモンゴル』=楊海英・著

 (中公新書・907円)

満洲国に重ねた自由と独立の夢

 「男装の麗人」川島芳子は、短い期間、モンゴル人と結婚していた。満洲族であった芳子の生涯は、日本帝国の野望に翻弄(ほんろう)された満洲族の悲劇そのものだが、夫ガンジョールジャブの生涯もまた、日本帝国の興亡と結びついた悲劇だった。

 本書は、日本の近代化、国民国家化、帝国化の過程に巻き込まれたモンゴル民族の歴史を扱っている。中心には、日本陸軍と深くかかわった、あるモンゴル民族の親子がいる。父バボージャブは、モンゴル近代騎兵の創始者として知られる。彼は日露戦争で、日本の特別任務班に参加して活躍した。ロシアに対する日本の勝利は、モンゴル民族にとって大きな希望となった。バボージャブの夢は、日本の力を借りて独立モンゴル国家を復活させることだった。

 日本には彼らの志を応援する「蒙古(もうこ)贔屓(びいき)」もたくさんいた。しかし、国家としての日本…

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