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学生に人気だったり、ユニークな研究をしていたりする大学の研究者を取り上げています。

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関西大・河田恵昭さん

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関西大 河田恵昭さん

都市災害に被災者の視点

 都市災害研究の第一人者。だが21年前の阪神大震災には大きなショックを受けた。震災当日、大阪で開かれる日米都市防災会議の予定もそこそこに神戸へ。それから3カ月間、当時所属していた京都大学の研究室にも行かず、大阪から被災地に通い続けた。

 「これまで取り組んできた行政支援などの研究が、実践でほとんど役に立たなかった。防災・減災の研究は世の中で使われてこそ、と思い知った」。以後、研究の中心に被災者の視点を起き続ける。

 「必ず都市で自然災害が起きる」という確信から、40歳代で専門を海岸防災から都市防災に変えた。東日本大震災が起きる前から津波の恐ろしさを訴え続け、今も「南海トラフ地震や首都直下地震はいつ起きても不思議じゃない」と警鐘を鳴らす。

 関西大では危機管理や災害事例分析の講義を担当。「英国のホテルに泊まっている時に非常ベルが鳴ると、宿泊者は全員、慌ててロビーに出て来た。『誤作動か』とまず思う日本とは情報の捉え方が違う」。そんな実体験の話を織り交ぜながら防災の心構えを説く。講義をするのは今年度で終わるが、「現場のことを忘れずに研究を」と学生たちに伝えたいという。【三野雅弘】


 ■人物略歴

かわた・よしあき

 1946年生まれ。京大大学院博士課程修了。京大防災研究所長を経て関大教授・社会安全研究センター長。「人と防災未来センター」(神戸市)のセンター長でもある。

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