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松本俊彦のこころと向き合う

/10 無防備な正直さが心配だ

 昨年10月、京都で小学6年の男児が大麻吸引を教師に告白するという事件があった。危険ドラッグまん延の記憶が覚めやらぬうちに、今度は「小学生」だ。世間が衝撃を受けたのも無理はない。

 だが、私は別のことが気になっている。男児の「正直さ」が解せないのだ。彼は教師に喫煙を注意された際、自ら進んで「大麻も使ったことがある」と告白したという。この態度、あまりに無防備だ。報道によれば、事情聴取で「家族に隠れて使用した」「悪いとは分かっていた」と語ったらしい。善悪の区別を知らなかったわけではなさそうだ。

 正直が悪いというつもりはない。ただ、人は誰しも自分を守るためについついウソをついてしまうものなのだ。精神疾患を抱えている人とて例外ではない。例えばある統合失調症患者は「自分は神」と確信していても医者の前ではその妄想を隠し、服用していない治療薬を「ちゃんと飲んでいます」とウソをつく。そうすることで、不自由な入院生活を避けたいのだ。あるいは、あるアルコール依存症患者は飲酒していることを必死に隠すが、…

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