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2016年のシリアは、果物や野菜の価格高騰とともに始まった。特に驚きだったのがズッキーニの売り場だった。最近まで1キロ約170シリアポンド(実勢レートで約60円)で取引されていたのが、年明けには一挙に700ポンド(約250円)に値上がりした。
民意を映すソーシャルメディアには、ため息交じりの皮肉があふれた。若者がズッキーニでできた指輪を手に恋人にプロポーズしたり、父親が子供たちに大きなズッキーニの遺産を残したりする風刺画が話題を呼び、「健康維持に必要な品目を食卓にそろえようと思えば、銀行からお金を借りなきゃいけない」というツイートもあった。
物価高騰の主要因はシリアポンド安だ。1月中旬の実勢レートは過去最低水準の1ドル=約335ポンド。シリアポンドの価値は過去5年間で7分の1程度に下がった。輸入品の値上がりが全体の物価も押し上げている。首都ダマスカス・シャーラン地区の青果市場で買い物をしていたロウイ・ラワスさんは「市場の品ぞろえは何も変わっていないのに、値段だけはどんどん上がる」とこぼした。
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