連載をフォロー 漫画で解説 サウジとイランが断交の巻 2016年1月28日 09時52分(最終更新 1月28日 09時52分) 暴動 宗教 外交 中東の大国同士の対立 シリア内戦の行方に影響 [PR] 2016年1月、サウジアラビアがイランとの外交関係を断絶すると発表しました。 両国ともイスラム教徒が多くを占める国ですが、 イランはシーア派が8割、サウジはスンニ派が9割なんです。 きっかけはサウジがシーア派指導者・ニムル師らを 処刑したと発表したことでした。 処刑された47人に反政府活動に関わったとされる シーア派4人も含まれていたのです。 イランはこれに猛反発。 暴徒化した群衆が首都・テヘランにある サウジ大使館に放火したり乱入したりしました。 スンニ派とシーア派は、預言者・ムハンマドの後継者は 誰かという点で考え方が異なりますが、異なる宗派で 結婚することもあり、仲が悪いというわけではありません。 この問題の背景には米国の存在が…。 サウジと米国は同盟関係にあり、一方のイランは 革命以来、反米路線を掲げてきました。 しかし、2015年7月にイランの核開発問題で 欧米などと最終合意が成立。 イランが核開発を制限することを条件に 欧米は制裁を解除し、関係を改善することが約束されたのです。 イランが国際社会で発言力を増せば、サウジの影響力は薄れます。 中東の大国同士の対立は深刻ですね。 エジプトやイエメン、イスラエルは大使館襲撃事件前に断交。 スーダン、シブチ、サウジアラビア、バーレーンは事件以降に断交。 カタール、アラブ首長国連邦、クウェートは大使を召還させました。 また、シリア内戦の行方にも影響を及ぼすことが予想されます。 イランはシリアのアサド政権を、サウジは反体制派を支援しているのです。 国連の仲介で和平協議が予定されているものの、 サウジとイランのどちらが欠けても進展は望めません。 この状況で1番得をしているのは 過激派組織「イスラム国(IS)」。 米国やロシアなどが仲介に乗り出しますが、 今後どうなるのでしょうか…。 文字サイズ 印刷 連載をフォロー 漫画で解説 前の記事 ドナルド・トランプさんって誰?の巻 次の記事 RSウイルスにご用心の巻 関連記事 イラン核問題が決着?の巻 「シーア派」と「スンニ派」の違い