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中島岳志・評 『中曽根康弘−「大統領的首相」の軌跡』=服部龍二・著

 (中公新書・972円)

現政権の動向見通す絶好の素材

 自主憲法制定を主張するタカ派でありながら、主張を臨機応変に変化させる風見鶏。中曽根の評価は、現役当時からこの両者の間で分裂してきた。中曽根はいかなる政治家だったのか。中曽根の目指した政治とは何だったのか。

 1918年に生まれた中曽根は、小学校上級生から旧制中学時代に準戦時体制を迎える。政治外交問題に関心をもったのは13歳の時に起きた満州事変。「こんなことをして日本はどうなるのか」と将来を案じた。旧制静岡高校に進学すると、時代は全体主義へとさらに傾斜して行った。しかし、自由な校風に感化された彼は、「ヒトラーに対する評価はゼロ」。リベラルな雰囲気の中、軍部の台頭を不安視する風潮の中にあった。東京帝大に進学後も、時代に対する違和感は継続した。

 しかし、中曽根は自ら国家権力に接近した。1941年4月に内務省に入省。「軍部の台頭に危機を感じつつ…

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