メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

発信箱

科捜研の誇りは=青野由利

 DNA型の再鑑定に基づく強姦(ごうかん)事件の逆転無罪判決に、20年近く前の取材を思い出した。当時、関係学会がDNA型鑑定の指針作りを進めていた。そこに再鑑定の「保証」を盛り込もうとしたが、警察関係者が難色を示し「保証」から「配慮」に弱まったという話だ。

 科学の世界では「第三者が後から検証できるか」が信頼性の鍵を握る。論文不正で「実験ノートの不備」が糾弾されるのもそのためだ。20年前に指針作りが気にかかったのも、信頼性確保の条件は、基礎科学でも捜査でも同じではないかと思ったからだ。

 今回の事件はどうか。元の試料が残っていて、再鑑定できたこと自体は、当然とはいえ幸いだった。しかし、判決によれば、当初の鑑定に当たった鹿児島県警・科学捜査研究所は、試料から抽出したDNAが微量で「鑑定できない」とした上で、残りの溶液を廃棄していた。鑑定の記録は不明確で、手順や内容をたどれず、鑑定経過を書いたメモも捨ててしまった。

この記事は有料記事です。

残り244文字(全文653文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 東名あおり運転デマ投稿、強制起訴の被告が死亡

  2. 匿名の刃~SNS暴力考 「自分の中の正義感が暴走」 ネット中傷加害者が語る投稿の理由

  3. 「市にうそつきと思われショック」児童扶養手当、突然の打ち切り 元夫の意外な行動

  4. コロナ感染、自宅療養中の女性が自殺 「家族にうつしたかも」悩む

  5. 午後8時以降に銀座クラブ 自民・松本氏と公明・遠山氏が陳謝 週刊誌報道認める

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです