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余録

爆買いの中国人観光客のせいか…

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 爆買いの中国人観光客のせいか、旧暦を意識することが増えた。今年の旧暦の元日は2月8日。春節(旧正月)を祝う中国や台湾からの観光客が殺到するシーズンだ。出張を控え、ホテル探しに一苦労する人や観光地で受け入れ準備に追われる人も多いだろう▲季節感が感じられると、旧暦に親しむ人も増えているという。棚田の保存活動に取り組むNPO法人「棚田ネットワーク」は2013年から旧暦の「棚田ごよみ」を発行しているが、今年からは一部の大手書店も取り扱いを始めた▲棚田の四季を撮影している写真家の青柳健二(あおやぎけんじ)さん(57)は「旧暦のリズムで生活すると、季節に敏感になる」と話す。こよみには冬至、夏至などの二十四節気(にじゅうしせっき)に加え、魚上氷(うお、こおりをいずる)など旧暦で使われた七十二候(しちじゅうにこう)も明記されている▲太陰暦を基にした旧暦はうるう月を入れて補正する必要があるなど不便なところも多かった。「千万歳の後に至るまで世の便利を増したるなり」。日本が1873年から太陽暦を採用した際、福沢諭吉はその利便性を説き、改暦に戸惑う人々を啓発した▲こうした合理的精神が日本の近代化に役だったことは確かだろう。中華圏をはじめベトナムや韓国でも旧正月が祝われていることを考えると、長く続いた習慣をなぜ日本だけが変えられたのか。不思議にも思う▲今は走り続けるだけの時代でもない。「使いづらい、だけど美しい」が棚田ごよみのキャッチコピーだが、スローライフの勧めにも通じるものがある。こよみでいえば、今は大寒の最後の時期。立春と東風解凍(はるかぜ、こおりをとく)はもうすぐだ。

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