5年ごとの国勢調査が昨年10月に実施された。前回の2010年調査で日本の総人口がピークに達した後初めて、また、東日本大震災後の広域の居住実態を明らかにする上でも注目される。全国で速報値が出そろうのは2月末になるようだが、東北6県の速報値はすでに発表されている。
岩手、宮城、福島の被災3県では人口が計約553万人で前回から約18万人(3・1%)減少した。岩手、宮城で津波の被害が大きかった沿岸部の減少が深刻なのはある程度予想されてはいたが、宮城県女川町や岩手県大槌町などでは5年間で実に2〜4割減少した。また福島第1原発事故の影響で全域が避難区域となっている福島県浪江町、双葉町など4町は、人口がゼロとなった。震災前の人口減少傾向に震災がさらに拍車をかけたことが見てとれる。
3県とも内陸部は比較的減少が小さい。ただ、国勢調査では建設作業員など復興事業の従事者で、住民票は移していないが現地で居住している人たちがカウントされている。この人たちは内陸部にもかなり居住しているが、2〜3年して復興事業が一段落すればいなくなる。今回の数値にはその分が加算されていることにも留意が必要である。
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