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沼野充義・評 『台湾生まれ 日本語育ち』=温又柔・著

 (白水社・2052円)

「わたしのパスポートは日本語」

 温又柔、と漢字で書いて、「おんゆうじゅう」と読む。温さんは三歳から東京に暮らしてきた台湾人作家だ。台湾語は両親や親戚が使っていたのを聞いて覚え、かなり理解できるし、中国語は後に大学で学習に努めたけれども、自由に使いこなせるのは日本語だけである。その日本語を駆使して、自分の複雑なアイデンティティに焦点を合わせるように優れた小説を書いてきた。言葉づかいは柔らかくて優しいが、現代の日本語文学の幅を広げるとともに、現代世界で日本語にどのような国際的可能性があるのか、改めて考えさせてくれるという意味で、とても重要な作家である。

 本書はその著者の初めてのエッセイ集。自分のアイデンティティについて、そもそも自分は何人(なにじん)…

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