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余録

十数年前にD・ワシントン主演の…

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 十数年前にD・ワシントン主演の「ジョンQ」という映画があった。貧しい人に過酷だった米国の医療・保険制度に立ち向かった男の物語だが、一般に「ジョンQパブリック」は平均的米国男性、「ジェーンQパブリック」は同女性をいう▲「メキシコとの国境に万里の長城を築け」「イスラム教徒は入国させるな」はむろん共和党の大統領候補トランプ氏の発言だ。さて平均的なジョンやジェーンは、この排外主義を米国の価値観に合致すると考えるだろうか▲一方、米国の格差社会を批判し、公的医療保険の制度化を訴える民主党のサンダース氏の主張は映画のジョンQならば大歓迎である。ただ現実のジョンやジェーンは氏が信奉する「民主社会主義」を受け入れるだろうか。米社会の社会主義アレルギーは根強いだろう▲従来の米国の平均的価値観から右左に大きくはみ出た2人の得票が注目された米大統領選候補指名争いの幕開けだった。その結果、共和党ではトランプ氏がクルーズ氏に敗れ、民主党ではサンダース氏がクリントン氏と最後まで息をのむ激戦を繰り広げた末に敗れた▲泡沫(ほうまつ)候補とみられたトランプ氏が過激な言動で人気を博し、社会主義者を自称してサンダース氏が若者の期待を集められたのはなぜか。今まで米国政治の合意の基盤となってきた価値観の分裂は、やはり社会的格差と文化的亀裂の拡大によってもたらされたのだろう▲この分裂した社会に新たな合意の基盤を作り出さねば、次期大統領も世論の波間を漂流するしかあるまい。これからの9カ月、それができるリーダーを見定めてほしいジョンとジェーンたちである。

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