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証言でつづる戦争

2.26事件 千の証言から 第1部/1(その2止)「死は易く、生は難し」

九段坂上を行進する反乱軍=1936年2月26日撮影

 <1面からつづく>

 エリート軍人の渋谷三郎にとって、1936(昭和11)年3月28日は忘れられない屈辱の日だったに違いない。「2・26事件で大変な不祥事を起こした」として、待命が下ったのである。陸軍歩兵第3連隊長という重要ポストであったが、半年も務めることなく解任された。

 実は、この時も自決を考え、哈爾浜(ハルビン)学院の学生に告白している。後に北海道大や上智大の教授になるロシア文学者、内村剛介(故人)である。内村は「独白の交錯 対話集」(冬樹社)の中でその内容を明かす。「2・26事件で死のうと決めたが、親友たちが殺しちゃいかんといって、私の家に2人が押しかけて来て両側に寝て見張っていた。その時死にそこなった。ところが死のうというのはやせがまんで、本当は死にたくないんだ。彼らがおってくれたから助かったのでありがたいと思っている」

 そんな渋谷がなぜ、終戦後に自決を選んだのか。遺書には、2・26事件への言及はないものの、「死は易(…

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